音の練習と気をつける事 - ソノリテについて -

最近、やはりフルートは音が大事だなと思う事しばしばです。私の師匠であった方々は、
”音に魅力がなかったら、誰もあなたを聞かないよ”
と仰ってました。第一印象ですからね、音は。


さて、ここでいう音の練習は、いわゆるその人を魅せる音に直ぐにつながるものかどうかは分かりません。人を魅せる音というのは・・・技術だけではないと思うので。しかし、やはり基本のテクニックとして”音”を徹底的に研究する事で、また音楽性も深まると思います。

さて音の練習の王道と言えば、やはりモイーズ : ソノリテについてということで前回も紹介しました(参照)。しかし、この本は一世代前に書かれているので、私達戦後生まれの現世代の人、さらには平成生まれの次世代の人には、このアッサリ感がなんとも???で終わってしまう事も多いようです。辛抱も必要です。賛否両論色々あるようですが、モイーズとえいば、タファネル・ゴーベールに続いて、今あるフルート基礎練習教本の基盤を作ったような人で、上手に使えば、大変有効な本です。

ということで、前回の簡単な説明より少し踏み込んで説明いたします。


まずは最も有名な、一番目の音の練習。メトロノーム60で、この長さでただ吹いていても眠たくなるだけです。肺活量がまだない人は、苦しい上に眠たくなるかもしれません。私の予想では、モイーズさんは本当に辛抱強く、熱心で真面目な方だったのだと思います。
もちろんそれだけの辛抱強さがあるに越した事はないのですが・・・余程の意志を持っていない限り、この求められている事をこなすのは大変と思われるので、最初の練習の仕方の説明に関しては軽く流しつつ練習に取り組んだ方がいいかもしれません(音大生などで真剣に音に取り組みたい方は挑戦してみて下さいね)

最も大事で気をつけるべきことは・・・出す音を良く聞く事です。音色・音質・音幅・音量がグラグラしないように、最初の音と次の音が同じクオリティになるように・・・と練習して行くのですが、


よくある良くないパターンは、音の変わり目が







こんな感じになることです。「これは何ですか?」と思われた方、すみません。私の持ってるプログラムではこの図形が限界でした。この図は、つまり最初の音の息がやせ細り、音が変わる瞬間に突如音量・音幅が変わってしまうということです。理想は





こうなのです。息の圧力・量ともに変わらず、音幅・音量に変化がなく、音がスっと変わる。
難しいですが、ミクロ耳になって良く聞きながら練習します。音が増えても、音が離れても基本的には変わりません。

同じ音幅、同じ音量でフンワリと作られた物を、後で自在に変形することは可能ですが、元々変な形になってしまっている音を他の形にするのは難しいのです。音の練習では、たっぷりの息で(といって力まず)、たっぷりのサウンドで作るのがコツです。圧力を保ってだの、シッカリした音で!と言われるとついつい力んでしまいがちですが、力まないように気をつけて下さい。足は安定しつつも、スキーをする時のようなシナヤカさを忘れずに。


慣れて来たら、自分自身でテーマを決めても良いかもしれません。今日は「甘い音で」「今日はガッツリな音で」などなど。
とにかくシンプルに書かれている本ですが、書かれている事は時が経てば経つ程、「なるほどねぇ」と頷きたくなりますし、一生自分なりに工夫して使える本です。








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