音の要素と技術 - 高音域をpで / 音色のパレットを増やす 1 (改訂)

とても久しぶりになってしまった更新です。

皆さん、美術で『赤、青、黄色』の『三原色』というのを習いましたか?音にもいくつかの『要素』があります。フルートの音は、息の『圧力(お腹の支え)』『スピード』『量』だと思っています。アンブシュアの形などもありますが、それは細かいテクニック。口はあくまで出口に過ぎませんね(ある時パユさんも同じこと言ってたので、自信満々に言えるように笑)

さて今回はその三原色ならぬ、三要素を意識して「音色のパレット」について考えたいと思います。音のパレットの色を増やそうとよく聞きます。では音色のパレットはどうしたら増えるのか。音に実際色がついていてくれればわかりやすいですが、残念ながら音は無色無臭。耳で聞くしかありません。

音のイメージを持つこと大変大事ですが、正直なところ、どんなに”こんな音でーー”と念力を送った所で、中々魔法は掛かりません。最近は色もRGBなどで表されますが、”きれいな赤色だなぁ”・・・という所を一歩踏み込んで、これは”#FF0000ではなくて、#DC143Cかな?”と分析してみる。。。

三色の混ざり具合の割合を分析することで色の数が増えるように、音色も同じようにちょっと冷静に分析して、音色のパレットを増やしましょう!


高音域をP 圧力(最大)ースピードは高音域用ー量減らす

高音域は基本的に息のスピードが必要です。これを”P”にする場合は、息のスピードは落とさずに量だけを落とします。量を落とすと一緒にスピードが落ちることが多く、音域が落ちてしまったりします。




又、初心者は大概お腹の支えが足りず、口プッシュ(ホースの先っぽを抑える原理で、口周辺に力を入れることでスピードを上げてる)で息のスピードをつけて高音を出してることが多いので、全体的量を落とすことが出来ません。そのため、高音域のPは難しいです。





高音域Pでの音色パレットの分析

一口に高音域のPといっても、それだけだと機能的で、あまり音楽的ではありません。ここで、音楽的一例ですが、例えばespressivo、表情豊かにという指示があり、メロディーが大変甘美だったとします。

同じ高音域の”P”でも、スピード>量で出すPは鋭い音の印象を与えます。スピード<量では柔らかい印象を与えます。
この指示があるところで、スピード>量になると鋭さが目立つため、ロマンチックな愛の言葉を早口で鋭く言われてるような、微妙な誤差が生じてしまいます。なので、スピードは保ちつつ〜という程度で息の量でスピードをカバーする、スピード<量で演奏します。


逆に緊張感のある高音域のP、侍斬切り!(福島和夫の冥の中に出て来るような)の突き抜けるような高音域のpというのもあるかと思いますが、そんな時は量<スピードです。

息の量はPなので、基本ケチケチと使わなくてはなりません。ただスピードを出すとついつい息の量も出てしまうので、お腹の支え(圧力)を使って、息よ出て行くなかれ!という感じです。ファゴットやオーボエの人は体内に息がたまって苦しくなるらしいですが、ちょっとそんな感じですね。高音域のピアノは体内圧力が高まっていると思います。

こうやって3つの要素を考えると、色々な音色が出来て来ます。

もちろんこれだけではなく、今までお話ししたような、体内反響、鼻腔の話など、豊かな高音域のPを出すにはたくさんの工夫が必要です。

そして一番大事なのは”こういう音が欲しい!”という、内側からの欲求ですね。音のパレットを増やすには、感性のパレットを磨きましょう(^^)



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