腹筋を使って高音の練習

フルート演奏は優雅に見えますが、実際には結構ハードな楽器です。

吹いている息の半分近くは、音にならずに遥か彼方へと飛んで行ってしまいます(といっても、それが音を作るのに必要でもあるのですが)

お腹から息を出すということが、とても重要になってきます。高音域は特にお腹の支えが必要で、口の力で力任せに出すと、誰もが耳を塞ぎたくなるような音になってしまいがち。特にピッコロはお腹の支えが重要になってきます。
口をピンっと張って出す音のデメリットはもう一つ。音程がとても高くなってしまうことです。大概の初心者や、吹奏楽部などで常に音程を気にしなければならない人達の悩みが、”高音域の音程”です。こと、ピッコロに至ってはべらぼうに高くなってしまうこともしばしば。

今回は口に頼らず、とにかくお腹からの息で高音域を支える音を出せるようになろう!という腹筋を鍛える練習です。私が高校生の時から、ずっと行っている練習なのですが、楽譜自体はとても古くなってしまいました。

仕組みは簡単で、まずは中音域の”H”を腹筋だけで、タンギングなしで練習します。



上の譜面ですが、譜面はややこしく見えますが、要するに四分音符から、八分音符、三連符という形で、短くフっフっフっと吹きます。毎回フの後の休みの部分で息を吸いますが、凹んだお腹を戻すという感じでしょうか。息を吸う方はあまり意識しません。

音の美しさはさておきです。口はダバダバ(力の入ってない状態)を意識して下さい。口の力じゃなくて、お腹の力で出してやる!というつもりで。練習して行くうちに、段々要領は掴めると思います。





上の三連符が出来るようになったら、下の譜面にチャレンジです。下の譜面には、休符は書いていないですが、上と同様短くして、各音(各拍ではなくて、各音です)の後に息を吸います。

フっ(吸) フっ (吸)フっ (吸)となり、毎音の後に吸っているので、理論上ブレスをどこかで取る必要はありません。80〜となってますが、ブレスを取らないでも出来る速さから始めて下さい。
こんな感じになります。(殴り書きの注意書きがありますが・・)





ちなみに、フっっと勢い良く吐く時に、お腹の中を空っぽにする必要はないです。
緑の状態が通常として、軽く吸った状態がピンク、ガッツリ吸った状態が青として、青とピンクの間を行ったり来たりする感じです。。
私の師匠も言っていましたが、”演奏中は肺の中が空っぽになる状態にはしない”という理論です。演奏や音には常に”柔軟性”のような物が要求されます。空っぽ状態だと、その柔軟性が全く出来ないのですね。ということで、「空っぽ」と「満タン」の行き来ではなくて、軽くある状態と満タンの状態の行き来くらいに思って下さい。実際には見えない話なので、”感覚”のことですが。

ちなみにこの練習は(このページのコピーしか残っていないのですが…)宮本明恭氏の教本からの抜粋だったと記憶しています。宮本氏は他にも初歩から正しく上達する 実践フルートレッスン という教本をかかれていらっしゃるようです。



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