難しいパッセージが出てきたら

アンサンブルについて連続になりますが、夏は講習会などでアンサブルを教える機会が多いので、夏のアンサンブル特集ということで。

アンサンブルというのは仏語で「一緒に」という意味です。つまり一緒に吹きましょうということですね。同時に吹くために必要なのが、同時の拍感、同時の呼吸でしょうか。

一人で練習している人などは特に休みの部分の拍子感の無視、間違えたと吹き直してしまったり、長い休みは適当に飛ばしてしまったり・・・
そういう癖がついていると、アンサンブルの時に困ったりします。いざ数えようと思ったら相手がどこを演奏してるのかサッパリ分からず・・・(こういうのを”落ちる”といいます)少人数のアンサンブルでは他の人のパートを知っているというのはとても大事なことです。
私は余裕があれば他の人のパートもそこそこ練習するのが一番だと思います(そうすることで相手のパートもより聞こえます)。

例えば、休みを数えた後どうしても入れないということがあったとします。大体入れないという時は、拍子感覚が崩れてしまう時なのですが、そんな時は相手のパートを吹いて自分のパートに繋げる練習がお勧め。ピアノでもなんでも、メロディーライン部分など吹ける所を吹く。そうすることで相手のパートもしっかり感覚で掴めるようになります。

下のような音型のDuoがあったとしましょう。アウフタクとがあると入りにくいなんてことはしばしば。そこで、一番フルートを吹き、二番フルートに繋げる練習をします。その時に大事なのはしっかり拍子感覚を持って練習する事。これを何回か練習すれば、”三拍半休み”もずっと音楽に乗って数えられるようになります。


これは基本的パターンですが、難しい曲でも応用出来る事です。ややこしいリズムも、聞いてるだけでは実は余計ややこしかったりします。吹けるようになってしまえば(練習と言う労力は払うにせよ)、ややこしさは半減。

さて、いざ合わせるとします。時々、曲と全く関係ない速度、全く関係ない間で吸う人がいますが、基本的にはカンニングブレス以外は曲のリズムの中で吸います。相手のパートを全部聞き終えてから慌てて吸うのでは遅れてしまうのはおろか、音楽も壊してしまいます。私ならば、曲のテンポと雰囲気にもよりますが、入る一つ前の四分音譜、あるいは八分音符に合わせて息を取ります。

八分音符で取る場合は、休みの数え方は、3と、1と、2と、スっ

のようになります。普段の練習から、常に拍子の中で、相手パートを意識して、それに見合った呼吸を取る事も大事です。

息を合わせると言いますが、音楽でも呼吸を利用してタイミングを合わせるわけですが、その呼吸は音楽に沿ったものでなくてはなりません。全員が吹奏楽器だとそんなに問題はないのですが、ピアノ、弦楽器などと合わせる時は時々息による障害を感じる事があります。しかし音楽には常に呼吸がありますし、弦楽器の人でも上手な人は呼吸をして音楽を作っている位です。なので、もしあなたの吹奏楽器奏者でないパートナーが息を吸わずに演奏していて合わせる事が出来ず「ここは音楽的に呼吸を取る所なのではないだろうか」と感じたら、積極的に提案してみて下さい。「ここは本当は息は吸いたくないのだけれど、残念ながら力不足で・・・」という場合は、丁寧に一瞬待ってもらうようお願いしましょう(^^;


吹奏楽器の呼吸は、決して欠点ではなく、むしろ利点です。ただどのようにその呼吸を使うかというのがポイントでしょう。


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