難しいパッセージが出てきたら

夏の講習会が全て終了しました。

ディナンの方はアンサンブルを見る機会が多かったので、その時に思った事などをまた記事にしていきたいと思います。南仏の講習会のフルートの先生はパリ管、パリ・オペラ座と並ぶ名門オーケストラ、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のピッコロ首席のクロード・ルビシュさん。レッスンをちょっと見学させてもらったら面白い事を言っていたので、こちらも少しずつ記事にしたいと思います。

さて、タイトルの難しいパッセージ。ここでは、運指が難しいパッセージということです。
曲中に出てくる難関パッセージ。難しい所は少なければ、短ければ嬉しいかというとそうでもなく、オーケストラでも何十小節休んで、いきなり難関パッセージなんて所は実はとても難しい。

ルビシュさんは何度も”指でアーティキュレーションを付けるつもりで”と言っていました。以前、ヴァンサン・リュカさんのレッスンでも「指でも歌うように」と言われたのを覚えてます。ピアノと違い、直接指で音を出すわけではないフルートも、指は全く関係ないとは言えないようです。

ルビシュさん曰く、指でしっかりアーティキュレーション(歯切れとでもいいましょうか)を付けるつもりで吹く事で、より一層指のコントロールが確実になるということでした。彼はピアノと同じように、しっかりしとしたタッチで、生徒の腕にタタタタ・・・と打つようにして説明していました。すると、生徒のフレーズの確実性と、アーティキュレーションのクリア度が確かに上がりました。確実なタッチで歯切れよく指を動かそうとすることで(力を入れるとはまた違いますが)、舌で作るアーティキュレーションとも自然と合うのかもしれません。

初心者のうちや、中級者くらいだと指の動きに無駄な動き、乱れが生じています。ディナンの講習会では、手首から動かしてしまう子がいて、指の動きの滑らかさの面でも、指と舌を合わせる上でも不利になることを教えました。しっかり確実なタッチ(見た目にも美しい)を目指すと、余分な動きは自然と取れて行くような気もします。

そして難しいパッセージの秘訣第二段は、息をしっかり吐く事。難しいと思うと息が止まってしまう事がよくあり、難しいからこそシッカリ息を吐く事と言っていました。以前の記事”いつでもどこでも音の練習”のアイデアに似た所がありますが、音が出てなければ折角指が動いていても美しくは聞こえないのです。一つ一つの音がしっかり鳴るように、しっかり息を吐く事と何度も言っていました。

ちなみに以前書いたと思いますが、タンギングの際には更に多くの支えとしっかりした息を送る事とルビシュさんも言っていました。これは、自分で発見した原理だったのですが、他のフルート奏者さんも言うと言う事は、合っていたのだなと確信しました。

ということで、難しいパッセージが出てきたら、意識して指を確実なタッチで、息をしっかり吐いて演奏してみましょう。

ルビシュさんのレッスン@南仏での講習会(左は生徒。私ではないですよ)


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アンサンブルのコツ:相手のパートを知る&息を合わせる

アンサンブルについて連続になりますが、夏は講習会などでアンサブルを教える機会が多いので、夏のアンサンブル特集ということで。

アンサンブルというのは仏語で「一緒に」という意味です。つまり一緒に吹きましょうということですね。同時に吹くために必要なのが、同時の拍感、同時の呼吸でしょうか。

一人で練習している人などは特に休みの部分の拍子感の無視、間違えたと吹き直してしまったり、長い休みは適当に飛ばしてしまったり・・・
そういう癖がついていると、アンサンブルの時に困ったりします。いざ数えようと思ったら相手がどこを演奏してるのかサッパリ分からず・・・(こういうのを”落ちる”といいます)少人数のアンサンブルでは他の人のパートを知っているというのはとても大事なことです。
私は余裕があれば他の人のパートもそこそこ練習するのが一番だと思います(そうすることで相手のパートもより聞こえます)。

例えば、休みを数えた後どうしても入れないということがあったとします。大体入れないという時は、拍子感覚が崩れてしまう時なのですが、そんな時は相手のパートを吹いて自分のパートに繋げる練習がお勧め。ピアノでもなんでも、メロディーライン部分など吹ける所を吹く。そうすることで相手のパートもしっかり感覚で掴めるようになります。

下のような音型のDuoがあったとしましょう。アウフタクとがあると入りにくいなんてことはしばしば。そこで、一番フルートを吹き、二番フルートに繋げる練習をします。その時に大事なのはしっかり拍子感覚を持って練習する事。これを何回か練習すれば、”三拍半休み”もずっと音楽に乗って数えられるようになります。


これは基本的パターンですが、難しい曲でも応用出来る事です。ややこしいリズムも、聞いてるだけでは実は余計ややこしかったりします。吹けるようになってしまえば(練習と言う労力は払うにせよ)、ややこしさは半減。

さて、いざ合わせるとします。時々、曲と全く関係ない速度、全く関係ない間で吸う人がいますが、基本的にはカンニングブレス以外は曲のリズムの中で吸います。相手のパートを全部聞き終えてから慌てて吸うのでは遅れてしまうのはおろか、音楽も壊してしまいます。私ならば、曲のテンポと雰囲気にもよりますが、入る一つ前の四分音譜、あるいは八分音符に合わせて息を取ります。

八分音符で取る場合は、休みの数え方は、3と、1と、2と、スっ

のようになります。普段の練習から、常に拍子の中で、相手パートを意識して、それに見合った呼吸を取る事も大事です。

息を合わせると言いますが、音楽でも呼吸を利用してタイミングを合わせるわけですが、その呼吸は音楽に沿ったものでなくてはなりません。全員が吹奏楽器だとそんなに問題はないのですが、ピアノ、弦楽器などと合わせる時は時々息による障害を感じる事があります。しかし音楽には常に呼吸がありますし、弦楽器の人でも上手な人は呼吸をして音楽を作っている位です。なので、もしあなたの吹奏楽器奏者でないパートナーが息を吸わずに演奏していて合わせる事が出来ず「ここは音楽的に呼吸を取る所なのではないだろうか」と感じたら、積極的に提案してみて下さい。「ここは本当は息は吸いたくないのだけれど、残念ながら力不足で・・・」という場合は、丁寧に一瞬待ってもらうようお願いしましょう(^^;


吹奏楽器の呼吸は、決して欠点ではなく、むしろ利点です。ただどのようにその呼吸を使うかというのがポイントでしょう。


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