音階練習 アーティキュレーション - 5 -

前回に引続き、音階練習の王道である、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題(ルデュック版フルートクラブ名曲シリーズ版)を使っての説明です。(前回の説明はコチラ



今日は8と9の練習の仕方についてです。



8と9は特にいわゆる”タンギング”がそんなにないので、うっかり簡単と思ってしまいそうですが、とても転びやすいアーティキュレーションなので気をつけて下さい。9などは気付いたら、弱拍が強拍のようになってしまいます。しっかり確実に。

ゆっくり練習する時ですが、私はこういうスラ―とタンギングの混ざったアーティキュレーションは(3−9全て)少し重い物でも下から引っぱり上げて来るようなイメージを持って練習したりします。かなりゆっくりの時ですね。ゴムを引張ってパン!っと離すみたいな、なんというか弾けるスタッカートです。
他にも力強いイメージで、ルネッサンス時代音楽のマーチのイメージなど。(小太鼓がズザザと鳴って、大太鼓が二拍・・というようなイメージ)

そんな音のイメージを持って練習すると、淡々と練習しているよりも断然効果的です。というのも、曲に直ぐ使えるからです。とにかく曲のイメージを持って練習してみることです。曲中にホゲホゲした音は入りませんから(要求される場合は別ですが)、そんな音で練習しないようにしましょう。音階練習は、指の練習、アーティキュレーションの練習であるのと同時に、音の練習でもあるということを忘れずに!

そんな沢山のイメージを頭の中に持つには、沢山の音楽を聞いてみるのも、大切ですね。

次回はいよいよ10番。何だかんだ言われても、やっぱりタンギングは
「いかにTTTT / TKTKで速く行けるか!!」
という所は捨てられないですよね。ということで次回はその説明です。




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音階練習 - アーティキュレーション 4-

前回に引続き、音階練習の王道である、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題(ルデュック版フルートクラブ名曲シリーズ版)を使っての説明です。(前回の説明はコチラ

アーティキュレーションの練習の仕方ですが、


今日は5、6、7の二つタンギング、二つスラーのパターンです。

これは三人兄弟セットみたいですが、7番だけは少しリズム感覚が変わります。7番は真ん中の二つがくっついて、リズム的には、

これになります。つまりシンコペーションですね。(シンコペーションをご存じない方はこちら
これもまたゆっくり演奏する時と、速く演奏する時と全く違う雰囲気になりますが、このシンコペーションの雰囲気が出させるように練習して下さい。

5番、6番は基本的にスラーの後ろの音は少し短めになります。スタッカートというのは前後と離れてる音なので、ただ短くというのでなく”前”と離すために少し短くします。これもまた、遅く吹くのと、速く吹くのでは全然雰囲気も変わります。fとpでも大分違います。毎回強弱、速度だけではなくて、雰囲気も感じ取るようにすると、すぐに曲に使えます。


どのアーティキュレーションにも言える事ですが、難しいのはタンギングと指のタイミングを合わせる事と、全体を通して、スピード&クオリティ&音質&音色&音幅&雰囲気を維持する事だと思います。アーティキュレーション1番(スラ―)で練習した時の、音幅&音質の維持はこの辺になると色々気をつけることがあって忘れそうになりますが、基盤は崩さず。

実際曲の中では、少し音色を変えたり、色々動かしたりします。でも元々シッカリした布をボロボロにする事は可能でも、元々ボロボロの布をシッカリする事は出来ないですから、まずはシッカリした物を作って後でアレンジしてみましょう。

ある程度の速いテンポで、低音域から高音域まで、軽快に全てをキープして出来た時は曲を一曲吹き通すに劣らない爽快感がありますよ!是非お試しあれ。




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音階練習 - アーティキュレーション 3-

前回に引続き、音階練習の王道である、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題(ルデュック版フルートクラブ名曲シリーズ版)を使っての説明です。(前回の説明はコチラ

アーティキュレーションの練習の仕方ですが、


今日は3、4番の練習の仕方です。このアーティキュレーションを見ると分かる通り、一つがスタッカート、も3つスラーで出来ています。リズムに直せば下のようになります。


付点は皆さんどんな風に演奏されますか?付点だと思うと、やはり大事になるのはタイミング。このリズム感がしっかり出るように、舌と指のタイミングを合わせるのがコツです。
やはりゆっくりの時と、早い時では雰囲気も大分変わりますが、このリズム感を意識しながら練習してみて下さい。特に、三番(下の段のリズム)はとても崩れやすい事で有名です。ともすると装飾音のようになりがちです。あくまで一つ目の音が、拍の頭の音に聞こえるように気をつけてみて下さい。気をつける事が沢山あると、練習のしがいがありますね!












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音階練習 - アーティキュレーション2 -

折角なので、アーティキュレーションのお話を続けたいと思います。(前回記事

前回に引続き、音階練習の王道である、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題(ルデュック版フルートクラブ名曲シリーズ版)を使っての説明です。






タファネル・ゴーベルにはこんな風に、毎回アーティキュレーション指定が書かれています。前回お話しました通り、アーティキュレーションは音楽の表情につながるので、どれも”表情をイメージ”しながら練習した方が、音階練習も少し楽しくなるのではないでしょうか。

さて前回は音楽イメージの話に留まったのですが、今回は幾つか取り上げて注意点を書きたいと思います。
順番的には一番から練習するのが良いと思います。タンギングといえばスタッカートだろ!と10番から始めたくなるかもしれませんが、スラーには基本的欠点が凝縮されて現れるので、まずは土台を作るつもりで1番から始めてみましょう。

1番のアーティキュレーション(に限らず全てですが)で注意する事は支えと音幅です。
この絵を覚えていらっしゃいますか?(初めて見る方はコチラを参照して下さい)端から端まで綿が均等につまっているフカフカのクッションは気持ち良いですが、中の綿が玉玉になってしまって、デコボコしたクッションは、いまいち気持ちよくありません。フカフカのクッションを目指して下さい。

フカフカのクッションになるには、カチコチの体では駄目です。よくありがちなのが、膝に力が入ったりするのですが・・・そんな所にも注意しながら、”沢山息をとる”というより、”たっぷり・ゆったり”息を取り、たっぷりの息を使って、音が均等になるように吹いて下さい。息が均等じゃないです(高音域は必然的に息が沢山いりますから)

そしてこのスラーの形も、考えたなぁといつも思わされます。スラーの形が山切りカットみたいだったら、このイメージは出しにくいですが、スラーはフンワリとした山になってます。まさにそのイメージです。たっぷりフワーと8個の音符が行くわけです。フォルテでゆっくり吹けば力強く、mfで速く吹けば軽やかに聞こえるでしょう。まずはf, mf でゆっくり吹くのをお勧めします。欠点が総結集して出てきますよ。それはそれで直しがいがあって楽しいです。

2番のアーティキュレーションは四つずつに分かれます。少しリズム感が出ますね。フォルテでゆっくりなら、先ほどまでは1小節1拍取りだったのが、2拍子の感じが強く出ます。速ければ、一小節全部スラーよりも、コロコロ・チャキチャキした感じになりますね。速いバージョンでは、二拍目頭のタンギングの質も問われてきます。タイミングと指がきっちり合わなければ、コロコロというよりガチャガチャしてしまいます。

とにかく、あまり速さに拘り過ぎず、常にイメージ&音に気を使って練習して下さい。

音楽の中に使えなければ意味がありません。音階練習が生まれてから音楽が出来たのではなくて、音楽の要求を追って行くうちに音階練習が効率の良い練習として生まれた・・・という順序をお忘れなきよう!









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音階練習 - アーティキュレーション1 -

音階練習の王道と言えば、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題です。ルデュック版と、フルートクラブ名曲シリーズ版とあるようです。

音階練習というと、何だか"THE退屈"なイメージがあるようですが、効率良く効果的に練習すればとても意義ある練習が出来ます。この本は全くの初心者向きではないですが、ある程度吹けるようになったら効果があります。あまり子供過ぎると、難しいかもしれません。特別上手な子なら小学校高学年位、普通は中学生位からじゃないかと思います。最初の方に毎日どのように練習するかというのが書かれていますが…これを全部こなせる人は中々いないでしょうから、自分也にこなすことをお勧めします。この本のとても良い練習方法は、何回か紹介していますが小泉剛先生著書のフルート演奏の基礎に載っています。

ここでのテーマは”アーティキュレーション”なので、アーティキュレーションの練習としてどのように使えるかというのをお話します。

アーティキュレーションとは、スラーやタンギングなどの組み合わせによって出来るもので音楽の表情、メリハリを作ります。フランス語では、アーティキュレーションは体の関節の事だったり、ハッキリ話すことを”アーティキュレーションをしっかりと話す”などと言ったりします。

同じ単語、例えば

”頑張ろう”

も、大きな声でハッキリ言えば、”張切ってるな”という意志は伝わってきます。でも小さい声でゴモゴモといえば、”仕方ない・・・がんばるしかないか”という諦めにも聞こえます。
アーティキュレーションは音量と同等に、音楽に表情を与えることが出来、フルート音楽にとって、とても重要な所を締めているのです。最高に上手に聞こえる人は、タンギング技術が素晴らしいとも言えます。タンギングとは、ただひたすらGOGO!で速く出来れば良いというものでもないのです。


このタファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題教本の中には、同じ音階を幾つかのアーティキュレーションで練習しろとあります。




これは言ってしまえば、同じ音をいくつかの違う表情で練習しろと言っているものです。そんな事をちょっと意識しながら練習してみましょう。

3番からは、わざわざスタッカートが打ってあります。適当に、なんとなくこんな感じのアーティキュレーションではなくて、きっちり(強くという意味ではないですが、リズムも転ぶ事なく、指とタイミングよく合わせてクリアに、という意味です)とこのアーティキュレーションで吹いてみて下さい。スタッカートはその音だけでなく、前の音とも離されるので、スタッカートのついている前の音も、若干短くなります。特に、五番のアーティキュレーションなどは、2つ目の音がかなり短くなります。
これを一つの調で、下から上まで行くとかなりの集中力度が必要とされます。低音域がまだ不安定と言う人は、ソ位から始め上に上がり、ソから下に下がってくると良いかもしれません。







ルデュック版












フルートクラブ名曲シリーズ版


音の練習と気をつける事 - ソノリテについて -

最近、やはりフルートは音が大事だなと思う事しばしばです。私の師匠であった方々は、
”音に魅力がなかったら、誰もあなたを聞かないよ”
と仰ってました。第一印象ですからね、音は。


さて、ここでいう音の練習は、いわゆるその人を魅せる音に直ぐにつながるものかどうかは分かりません。人を魅せる音というのは・・・技術だけではないと思うので。しかし、やはり基本のテクニックとして”音”を徹底的に研究する事で、また音楽性も深まると思います。

さて音の練習の王道と言えば、やはりモイーズ : ソノリテについてということで前回も紹介しました(参照)。しかし、この本は一世代前に書かれているので、私達戦後生まれの現世代の人、さらには平成生まれの次世代の人には、このアッサリ感がなんとも???で終わってしまう事も多いようです。辛抱も必要です。賛否両論色々あるようですが、モイーズとえいば、タファネル・ゴーベールに続いて、今あるフルート基礎練習教本の基盤を作ったような人で、上手に使えば、大変有効な本です。

ということで、前回の簡単な説明より少し踏み込んで説明いたします。


まずは最も有名な、一番目の音の練習。メトロノーム60で、この長さでただ吹いていても眠たくなるだけです。肺活量がまだない人は、苦しい上に眠たくなるかもしれません。私の予想では、モイーズさんは本当に辛抱強く、熱心で真面目な方だったのだと思います。
もちろんそれだけの辛抱強さがあるに越した事はないのですが・・・余程の意志を持っていない限り、この求められている事をこなすのは大変と思われるので、最初の練習の仕方の説明に関しては軽く流しつつ練習に取り組んだ方がいいかもしれません(音大生などで真剣に音に取り組みたい方は挑戦してみて下さいね)

最も大事で気をつけるべきことは・・・出す音を良く聞く事です。音色・音質・音幅・音量がグラグラしないように、最初の音と次の音が同じクオリティになるように・・・と練習して行くのですが、


よくある良くないパターンは、音の変わり目が







こんな感じになることです。「これは何ですか?」と思われた方、すみません。私の持ってるプログラムではこの図形が限界でした。この図は、つまり最初の音の息がやせ細り、音が変わる瞬間に突如音量・音幅が変わってしまうということです。理想は





こうなのです。息の圧力・量ともに変わらず、音幅・音量に変化がなく、音がスっと変わる。
難しいですが、ミクロ耳になって良く聞きながら練習します。音が増えても、音が離れても基本的には変わりません。

同じ音幅、同じ音量でフンワリと作られた物を、後で自在に変形することは可能ですが、元々変な形になってしまっている音を他の形にするのは難しいのです。音の練習では、たっぷりの息で(といって力まず)、たっぷりのサウンドで作るのがコツです。圧力を保ってだの、シッカリした音で!と言われるとついつい力んでしまいがちですが、力まないように気をつけて下さい。足は安定しつつも、スキーをする時のようなシナヤカさを忘れずに。


慣れて来たら、自分自身でテーマを決めても良いかもしれません。今日は「甘い音で」「今日はガッツリな音で」などなど。
とにかくシンプルに書かれている本ですが、書かれている事は時が経てば経つ程、「なるほどねぇ」と頷きたくなりますし、一生自分なりに工夫して使える本です。









練習方法 2 - 練習の工夫 / リズム変化で練習 -

練習の工夫

練習の工夫というのはとても大事なことです。先日講師を務めた一週間の音楽セミナーでも、個人レッスンだけではなく、この「練習の工夫」についての講義レッスンを入れました。それ位、上達する上では実は大事なことだと思っています。


練習というと、ついついただ只管に繰り返してしまいがちですが、吹ける所は吹けるのです。だから吹けない所を吹けるようになるのが練習と思って良いと思います。練習方法1でもお話しましたが、鉄則は


  1. 何が出来てないのかを把握する
  2. 小さく分断して、最も出来てない所から練習する
  3. ゆっくり確実に練習する。

です。

フルートの難しい物の一つに連符があります(速い音符が連なってるのを私はこう呼んでいます)。
色々な練習方法があるのですが、ここではまず、リズム変化の練習。

例えば以下のような譜面。


この十六分音符群を、以下のリズムのように変えて練習します。


このようにリズムを変える練習は、どこがつっかかるというのではないけれど、なんとなく指が滑ってしまうという時にとても役に立ちます。音量(音幅)の不均一などにも役に立ちます。
注意すべき点は、リズムをとっても気をつけることです。何となくの付点とかではなくて、”確実メッキリ、ムチャクチャ正確”な付点にすることです。自分の指に”こう動きなさい!!”としっかり司令しながら動かす感じでしょうか。そしてどの音もしっかり鳴るように。付点だからといってホゲッとした音でも良いかな、なんて聞き過ごさないように、気をつけて下さいね。



この練習方法は故小泉剛先生の著書、フルート演奏の基礎(携帯はこちらから見れます)に載っているものです。私はフルートは小学校のクラブ活動で独学で始めました。きちんと習い始めたのは高校生になってからです。音大に行こうとその時決めたので、それはそれは快速スピードで上達しなければなりませんでした。その時にこの本に出会いました。というより、先生に教えて頂いたのですが。。。この本は、今では絶版になってしまっているようで、お値段が高くなってしまっているのが残念なのですが・・・実に実に役に立ちました。

これはほんの一部の例に過ぎませんが、練習方法に関しては、とにかくこの本から沢山のアイデアを頂きました。今でもこの本の練習方法を、自分自身も実行し、生徒達にも教えています。

演奏者勝利学 

本番で緊張してしまう・・・というのはよくある話です。一方でよく言われるのは本番で緊張しない人はいないという。ガッツリ緊張した方が、なんとなく乗り越えるものがある気がして、緊張しないと物足りない気もします。

どの先生方のレッスン、マスタークラスに行っても、
100%本番で吹けるには120%練習しておくこと
と仰ったり、
本番では70%吹ければ良い方
と仰ったり。


つまり何が起きても大丈夫という位に準備しておく事が大事なわけです。



それでも、あるマスタークラスで、
「人前に出て吹くと、自分が緊張してるのが気になる。」
「あの人が退屈だと思ってるんじゃないかと思ったりして気になる。」
とある子が言っていました。

確かに・・・それもなんとなく分かります。


自分の経験談ですと、ある時舞台中の移動やら、台詞やら、もちろん演奏と、色々こなさなくてはならないコンサートを行いました。とにかく全てをこなす事が大変で、何度もリハーサルしました。本番当日、会場は有名なホールで満員。本番、舞台のドアが開く直前は心臓がドクドク言っていましたが、始まったらとにかく最後まで集中疾走。緊張してるかも・・とか、そんなことを考える暇がありませんでした。
またある時は、とにかく難しい新曲が多く、合わせの時間もあまりなく、本番に突入という時がありました。しかしその時も、最後まで集中疾走。結果、本番は緊張感を保ちつつ、同プログラムの二回目のコンサートよりかえって上手くいったくらいでした。集中力という物の力を実感させられました。

舞台上に上がってから「緊張してるかも」とかは「余分な考え」。大事なのは、あがってしまうか、あがらないかに拘らず、とにかく全力で目の前の演奏をすること。

と、言うは易し、行うは難しです。

緊張は、場数を踏めば慣れてくるというのがあります。と、同時に場数を踏んでも舞台は魔物、余裕シャキシャキになる日などは期待しない方が良いというのもあります。上達法同様、魔法はないというのが、長年の経験の結果行きついた所です。

とは言ったものの、本番まであがってしまうのか、しまわないのか、それは本番まで神のみぞ知る・・・ではあまりにリスク。精神力も思考も、日頃からのトレーニングで大分変わります。演奏者のためのメンタル・トレーニング 演奏者 勝利学という本は、スポーツ心理学者の辻秀一さんが書かれた物です。よく纏まっていて、読みやすい&実行しやすい(続けやすいかどうかは、本人次第)ので、舞台で実力を発揮されたい方は一度読まれてみては如何でしょうか?!




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現代奏法 1  フラッター

現代奏法、特殊奏法というと難しい感じがしますが、慣れてしまえば特に難しいという物では(難しいのもありますが)ありません。


私が最初に覚えたのは、確かフラッターです。当時吹奏楽部でホルンを吹いていて、曲中に出て来たのでホルンパートの皆で覚えた記憶があります。先輩は既に出来ていたので、よく使用される現代奏法でしょうか。

フラッターは、巻き舌(ルルルルル・・・)か、喉(うがいみたいな音:フランス語のR)で行います。
フランス語圏人は圧倒的に喉が多く、イタリアンや、ギリシャ人は舌で行うようですが、日本人は人に寄ると思います。言語的に、ラ行はRとLの間みたいですし、喉をならす発音はないので。

私は巻き舌派です。最初はいきなり出来なかったので、やくざさんの、
”おんどRRRりゃーーー
を言いながら、だんだんRRRRRを強調+伸ばして行きまして、最後にはRRRRから始められるようになりました。まだ15、6歳の若い頃だったのでそんな単語しか思いつきませんでしたが、何秒間か自然と続けられるようなれれば、なんでも良いのです。

音はこんな感じです。

  


ゆったり目と、速いのとでは音色の感じも変わります。上のビデオでは、息のスピードも変わっているかと思います。始める瞬間が難しく、振動が強いと炸裂音が入ってしまいます。いかにスっと始められるかが大事です。
タンギングが強く鳴っても良い場合は、Trrrrrですが、スーっと始めたい場合は、最初にHというべきか、フルルルルというような感じに始めます。


ここで大事なのが息の支えです。息の圧力が弱い音では、暴れ馬になっている舌によって乱されている息の流れを押さえる事が出来ず、結果音も乱れ放題、スカスカ、ガサガサになってしまいます。上手にフラッターが出来るようになる=息の支えも良くなるという感じでしょうか。

現代奏法は、息の支え、安定性、アンブシュアのしなやかさなど、究極の”基礎”を求められる事が多いので、自分の基礎力を上げてみる良いチャンスにもなります。


現代奏法の本は、日本語だと小泉浩さんのフルートの現代奏法 がよくまとまっています。特殊トリルの運指なども載っていますが、いくつかImpossibleなものがあるようです。英語も書かれているので、こちらでも販売されています。作曲家の方もよく使うようですね。



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呼吸法の練習 - パイプ練習 -

長年の経験から、フルートは呼吸法だ!!と確信しています。呼吸の深さ、呼吸の使い方、呼吸の取り方…息は自分の心と書く位ですから。息を使って吹くフルートは自分の心を使って鳴らす楽器。素晴らしい!

抵抗をつくる

他の木管楽器は、リード(クラリネット、オーボエ、ファゴットなど)があります。リード楽器は「抵抗」があるので、息が入りにくいのです。ファゴット奏者とヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第六番を演奏した時、私は息が足りなくてクラクラ、彼は息が通らなくてゼーゼー・・・という同じ”苦しい”でも違う種類の苦しみを味わっていました。
フルートは他の木管楽器に反して全く抵抗がなく、吐く息の半分が外に行ってしまう楽器です。しかしある程度の「抵抗」を自分自身で作る事で、美しい音が出てきます。全く、ただ息をダーーーっと出してしまうと、大体吹き過ぎの炸裂音になってしまうのです。


さて呼吸法ですが、色々な方向からのアプローチがあります。一言に呼吸法と言っても、呼吸の量(肺活量)を増やすという面と、使い方を上手くする・取り方を上手くするという技術面があります。


まずは、肺活量からのお話。肺活量を増やしつつ、”抵抗”の感覚を養う練習です。

それは!!!


昭和生まれのあなたなら知っている!吹き上げパイプです!






これは留学中に、クラリネットの留学生(ギリシャ人で、ダビデの彫刻のような筋肉隆々の人でした)が練習しているのを見て、これは良い!と思いました。ある程度の肺活量のある人には、市販のプラスチックでは軽いかもしれませんから、セロテープを付けたり、アルミホイルの玉にしたりなど、少し重くすれば、より鍛えられます。ピッコロはフルートより、より一層支えが必要になるので、ピッコロ担当者にもお勧め練習です。

これを大体同じような位置に保ちます(難しいです)。上げ過ぎず、下がり過ぎず・・・何秒持つかというのを計ります。

教えてる方々にもレッスンで使用出来るのでお勧めです。子供には、抵抗だ何だと説明しても欠伸されてしまうだけ。実践で覚えてもらうのが一番!!! 平成生まれの彼らも、昭和生まれの私同様、こんな単純な遊びを楽しんでくれるようです。大人の人は童心に帰ったつもりで楽しんで下さい。


若干進化したバージョンもあるようです。二つもあると大変かな?

ケーラー・フルート 第一巻 

ケーラーの第一巻は中級位に使われている教材です。最初の方は然程難しくなく、音楽的に勉強する事が沢山あり良い教材です。植村泰一さん著の『ケーラー・フルート 第1巻 作品33-1』は、練習のアプローチが曲毎に細かく載っていて、とても分かりやすいです。また、このエチュードに限らず、一般的な練習方法にも取り入れられます。





音大を出たての頃や、留学中に初心者を教え始めた頃、意外と遠い昔に覚えた事、習った事を忘れてしまっていました。何故出来ないのか原因が良く分からないのです。でも実際は自分も、このように色々と分析し、解釈し、そして練習方法を学びながら、伸びて来たのだと思い出させられました。
現在音大在学中、音大出たてで初心者を教えているというような方も、読み直すとレッスンの参考になるのではないでしょうか。

同じ植村さんの本で、入門書、アルテスフルート奏法 第一巻 植村泰一 訳・解説 というのもあります。全くの初心者(この本のレッスン1ー8は小さい子には退屈に感じたり、高音域から始めるのが大変なので、あまりお勧めしないのですが、ある程度の年齢からは使えて、とても良い教本です。特にレッスン8からは音楽的です。)も、どのようにアプローチしていけば良いかが、細かく解説されているので、先生にはレッスンの参考に、大人の生徒さんには良い資料になるのではないでしょうか。


練習方法 1 -練習の工夫 / 出来ない所から-

練習方法は本当に大事なことの一つです。練習の仕方一つで、時間を有効に使って上達する事が出来るか、はたまたただ疲れて終わるだけか・・・。10時間練習しても、練習の仕方が悪ければあまり効果は望めないのです。
趣味の方はともかくも、音大生や、音大に進学しようと思ってる人は、ちょっとした計画を立てて練習すると、頭も整理出来ますし、練習した事が記録に残るので、後から見直したときにも役に立ちますよ。といいつつ、私が若い頃は「どうやって有効に時間を使おう」と計画を練る事にやたらと時間を掛けてしまったり・・・そんな時間があるなら練習しなさいという感じですね。

まずは出来ない所から練習です。あまりに当たり前の事じゃないか!と思われた方は、正しい練習をしているのでご安心を!でも、案外出来ないところを、「まぁまぁこれはこんな感じで・・・」「ここはちょっと後でね・・・」と飛ばされている人も多いのでは?ここでちゃんと向かい合えるかが勝負所です。
ですが、ただ我武者らに面と向かい合って100回間違えてしまっては、筋肉が間違えた事をどんどん覚えてしまいます。出来ない所との戦いの鉄則は

  1. 何が出来てないのかを把握する
  2. 小さく分断して、最も出来てない所から練習する
  3. ゆっくり確実に練習する。
なんだ、聞いた事あるな。みんな同じ事言うよと思われた方、そうなんです!魔法はないんです!残念!

1番:何が出来てないのかを把握する。案外何が出来ていないのか把握しないで我武者らに練習してしまう事が多いようです。例えば何故か吹けない1小節。実は吹けないのは、たった1拍の十六分音符に集中してるかもしれません。高音のミに行く時に、左手薬指が上がってくれないの一点に集中しているかもしれません。原因を突き止めてみて下さい。そして、案外よくあるパターンが”ドレミで言ってみたら言えない”というパターン。音がどこに移動するか、脳が薄らとしか分かっていないのです。

2番:小さく分断して、最も出来てない所から練習する。1番と少し被りますが、1小節出来なくても、最も出来ない所を練習し、出来るようになったら、もう1拍なり2拍なり足して行く・・・という練習方法です。円周率も、まずは3.14から覚えますね。いきなり20桁に挑戦する人は中々いないでしょう。少しずつ筋肉に覚えさせて下さい。


3番:ゆっくり確実に練習する。ゆっくり確実。。。そうです。太極拳のスロームーブメントも、ジャッキー・チェンの早技につながります。いきなりジャッキー・チェンの速さで動いても、ただのハチャメチャなのです。まずは確実に。いつの日か至難の業につながる日を思って、ゆっくりの時に息をきちんと入れて良い音で練習する事を忘れずに!


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トレバー・ワイ フルート教本 テクニック&スケール

さて指に関しての、教本というと、やっぱりスケールが一番多いですね。しかしスケールは、「指」だけではなく、アーティキュレーション、音程、など様々なテクニックの上達に役立ちます。

とはいえ、ここでは「指」に重点を置きたいと思います。

かなり初期段階から使えるのが、トレバー・ワイ フルート教本 2 テクニックです。このシリーズばかりお勧めしているようですが、とても良いシリーズだと思います。これは、タファネル・ゴーベールによって書かれた日課大練習から1と2を主に取り上げて(多少アレンジして)書いているのですが、タファネル・ゴーベールが殆ど説明がないのに対し、こちらはものすごく説明されてます。(若干詳細過ぎな所もあるかもしれませんが)

初期の段階で、ホイとタファネル・ゴーベールを渡されても、使いこなせるかどうか・・ですが、この本は薄いですし、説明もしっかりしているので、使えるのではないでしょうか。




もうひとつ、タファネル・ゴーベールの中から4番をちょっとアレンジして書いているのが、トレバー・ワイ フルート教本 5 呼吸法とスケール。さらに2オクターブ音階、三度の音階、二オクターブの和音、分散和音など色々出て来るので、中級まで行かないと難しいかと思います。




トレバー・ワイさんはユーモアのある方で、内容も面白いのでお勧めのシリーズです。