マルセル・モイーズ書:ソノリテについて

音の練習は、よく「ソノリテの練習」と呼ばれています。最も有名なのが、マルセル・モイーズというフランス人のフルーティストによって書かれたソノリテについて (Leduc版)です。

 

この本は確かにとても良いものです。譜割も簡単なので、初心者でも出来ます。ただ、強い目的意識がないと退屈に感じるかもしれません。その面では、既にソノリテを改善するということに強い興味を持っている、中上級者向きとも言えます。良い先生と共に勉強するのであれば、初心者でも十分に使えます。子供向きではありません。私の推測では、モイーズさんはとても律儀な完璧主義者だったのではないかと思います。このメソードもまたとても理論に則っています。「私はとても真面目だ」と思う人には、初心者段階でも向いている教本です。

低音の練習はこれまたとても辛抱のいるものですが、非常に役に立ちます。低音というのは操りにくいもの。これをどうしてもどうにかしたいと思ったら、取り組んでみてはいかがでしょうか。テンポ60でと言われていますが、息の量がどうしても足りなければ、少し速くしても良いと思います。
表紙の写真はおじいさんですが、フルートの名手で西洋人ですから、一般的なフルート愛好家、学生との息の量の違いは多いにあるでしょう。指定テンポでヘロヘロな音で練習するより、少し速めでも良い音で練習して下さい。

またモイーズさん自身も書かれていますが、中音・高音域にも役に立ちますが、高音域は大変疲れます。


跳躍の練習の辛抱度は前者二つに比べて減ると思います。非常に役に立ちます。音の跳躍はフルートにおいて難しい事の一つです。この跳躍を少しずつ離して行くことで、克服していきます。教本では第一段階がタンギングとなっていますが、まず腹筋だけで練習するのもお勧めです。


最後に、歌い方の練習というのがついています。私自身はそれほど練習した事がありません。ただ書いてある事は面白いと思うので、読み物として読んで、他で生かすという方法でも良いかと思います。もちろん取り組まれるに越した事はありません。


対象:中上級者(初心者 場合による) 
向いてる性格:真面目で律儀・研究熱心  
目的:音質の改善 ・安定感が増す



音の練習 - 1 -

音と音の繋がり - お腹の支え


音は楽器演奏の基本です。私の師匠は、音が魅力的でなかったら誰も聞いてはくれないと言っていました。先生はオーケストラなどの団体ではなく、個人で演奏されていらっしゃる方でしたから、尚更と思います。聴きに来て下さる方を直接魅了しなくてはならないので、音は勝負所です。もちろん「音だけ」では困るのですが。

さて音の練習は色々あるのですが、まずは心得?から

長年の経験から、音の練習で大事なことは音と音の間の繋がりだと思います。もちろん一つ一つの音のが良くなくては駄目なのですが、こればっかりは中々直ぐには良くはなりません。そして、音を練習したいと思う人は音に注意するでしょうから、それはそのうち少しずつ改善されていきます。

基本的には息をたっぷりと使うというイメージですが、一つの音に全てをつかうのではなく、音と音の間に息があるという状態です。よくよく自分の音を聞いて練習してみて下さい。音と音の間に、やせ細った音、シューっという中身のない音が聞こえませんか?

この音と音の間をキープするという練習は意外と疲れます。そして何よりお腹の支えが必要になるのです。お腹の支えは何より大事ですが、これまたただ「支えて」というと、全身カチコチになってしまう場合もあるのです。それでは良い音はなりません。良い音を出すには、体が共鳴しなくてはならないのです。
私は良く息を吸った状態が上半身全体を円柱のようなイメージをもってもらいます。立体的イメージです。そして中心のほうから少しずつ息が出て行きます。外側はほどほどにキープされているわけですが、その時にお相撲さんがお腹を内側から”押し相撲”しているイメージを持ってます。突っ張りではなく、押し相撲です。お相撲さんは、とてもしなやかですよね。このしなやかさが大事です。

全身カチコチになりがちな人は、足もカチコチになりがちです。試しにスキーをするが如く膝を柔軟に動かしてみて下さい。スキーの際の重心の置き方は、フルート演奏にとても役立ちます。